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なぜ私の LRGB は色が出ないのか:LRGBCombination の正しい使い方

カラーマネジメント2023.04

カラーカメラ(DSLR や冷却 CMOS)からモノクロカメラに乗り換え、LRGB フィルターと組み合わせて撮影するようになった仲間の多くは、最初のうち L と RGB を結合する問題にぶつかるはずです。そしてこの問題がいちばんよくつまずくのが色——色が出てこない、あるいは色あせて味気ない、というところです。

こうした事態を招く原因はいろいろあります。この記事では範囲を「PixInsight で LRGBCombination を使う」ケースに絞ります。つまり、同じ L と RGB を使いながら、異なる状態で LRGBCombination で結合すると、違う結果になる——これを通じて、LRGBCombination というプロセスの最良の使い方を説明していきます。

まず結論から

LRGBCombination はノンリニア状態のプロセスであり、ノンリニア状態でのみ使うのが適切です。

リニア状態とノンリニア状態が何なのかがよくわからない場合は、先に関連する基礎知識をおさらいしてから、下の実験に戻ってきてください。

実験の設計

条件をそろえるため、今回の実験では LRGBCombination のパラメータを完全に同一にしました。L と RGB の画像はリニア状態でも完全に同じファイルで、しかもノンリニア状態では彩度に関するパラメータはいっさい調整していません

環境については、EIZO CS2731 モニターを使い、105 cd/m² の輝度で確認し、最近 i1 Display Pro のキャリブレーターで校正済み、実験全体をカラーマネジメントを行った PixInsight で完了させました。

下の画像には四枚の画像があり、それぞれ番号を振ってあります。

同一の L と RGB を四種類の異なる結合フローで処理した際の色の違いの比較(NGC 1055)

  • 図 1:L と RGB をどちらも STF+HT でストレッチし、ストレッチ後(ノンリニア状態)に LRGBCombination で結合。
  • 図 2:L は STF+HT でストレッチ、RGB は複合的なストレッチ(arcsinh、masked、GHS、HT)を使い、ストレッチ後(ノンリニア状態)に LRGBCombination で結合。
  • 図 3:L と RGB をリニア状態で直接 LRGBCombination で結合したのち、STF+HT でノンリニアにストレッチ。
  • 図 4:ChannelCombination の HSI モードを使い、リニア状態で RGB の I を未ストレッチの L に置き換えたのち、STF+HT でノンリニアにストレッチ。

(略号の補足:STF=Screen Transfer Function、HT=Histogram Transformation。)

実験の結果

  • 色がもっとも鮮やか(図 2):L と RGB を異なるプロセスでストレッチしてから結合。
  • 色がその次(図 1):L と RGB を STF+HT だけでストレッチしてから結合。
  • 色が非常に淡い(図 3):リニア状態で LRGBCombination で L と RGB を結合してからストレッチ。コアの周辺でかろうじて色が見て取れるだけ。
  • 色がほぼ消失(図 4):リニア状態で I を未ストレッチの L に置き換えてからストレッチ。暗めの部分でも依然として色が出ず、モノクロ画像のように見える。

説明

LRGB 画像の色に影響する要因はたくさんありますが、「L と RGB の結合プロセス」というこの一つの工程だけでも、苦労して撮った RGB の色をほとんど出させないほどの威力があります。ですからもう一度結論を繰り返します。LRGBCombination はノンリニアなプロセスであり、ノンリニア状態でのみ使うのが適切です——とりわけ L を加えるときには。

私のこの NGC 1055 の画像を例にとると、私は最初から図 2 の方法を選びました。実のところ、ほぼすべての画像(LRGB でモノクロ撮影したものなら)を、私は図 2 のやり方で結合し、最良の発色効果を得ています。カラーカメラの場合も、L と RGB のチャンネルを分離してさえいれば、同じようにノンリニア段階に入ったあとで L を戻します。そこからノンリニア処理を続けて、色をより豊かに、より飽和させ、さらにマスクと組み合わせて細部を仕上げていきます。

逆に言えば、図 3 や図 4 の状況に陥ってしまうと、ノンリニア状態で彩度を思いきり上げたところで、目標の色はどうにか引き出せるかもしれませんが、大量のカラーノイズを伴います。しかもそれは処理しにくい、あるいは処理に多大な時間を要するたぐいのもの——ここでは、NXT でさえ大して助けにはなりません。

みなさんの画像処理がより順調に進み、撮影のときには快晴に恵まれますように。