画像が 2 枚しかないとき、PixelMath でインテグレーションする方法
インテグレーションのとき、たまに厄介な状況に出くわします。手元に画像が 2 枚しかない、というものです。そして PixInsight の ImageIntegration にはある敷居があります——最低でも 3 枚以上の画像がなければ実行してくれないのです。では 2 枚しかない場合、もうインテグレーションする手立てはないのでしょうか?実はあります。ImageIntegration を迂回して、PixelMath を使って自分で手を動かせばよいのです。
ぶっちゃけて言えば、「インテグレーション」とは数学的には、位置合わせした複数の画像を加重平均して、S/N 比を高めることにほかなりません。ImageIntegration が強力なのは、平均に加えて正規化とピクセルリジェクションまでやってくれるからです。ただしリジェクションは最低でも 3 枚ないと成り立ちません(どのピクセルが外れ値かを判断するには多数決が要るからです)。ですから 2 枚しか残っていないときは、次善の策として、PixelMath で「位置合わせしてから平均する」という最も核心的な部分だけを手動で仕上げればよいのです。
最もシンプルな方法:足してから平均する
2 枚の画像を合わせるとは、本質的には両者を足して 2 で割ることです。PixelMath に入力する式は、2 枚の画像を足してから 0.5 を掛ける(つまり ÷2)というものです。

これで両者を平均した結果が 1 枚得られます。
異なる重みを与えたい?係数を分ける
単純な平均だけでなく、2 枚の画像にそれぞれ異なる比重を持たせたい場合は、式を展開して、2 枚の画像それぞれの前の係数を個別に調整すればよいだけです。
たとえば:
0.8*image1 + 0.2*image2
これで 2 枚の画像の重みは 4:1 になります。係数の配分は 2 枚の画像の品質をどう判断するか次第で、2 つの係数の合計が 1 になりさえすればかまいません。
とても重要な注意点:作業に取りかかる前に、まず 2 枚の画像の位置を合わせておくことを忘れないでください。 位置を合わせずに足すと、星像が二重像に重なってしまい、それまでの努力が水の泡です。このステップはどの式を使おうと省けません——PixelMath はピクセルごとに算術をするだけで、2 枚の画像間のずれを補正してはくれません。
応用:先に Normalization してから平均する
上のやり方は急場しのぎには十分ですが、2 枚の画像の背景の明るさや信号の強さに差がある場合、そのまま足して平均した結果は理想的にはなりません。もう少しこだわったワークフローは、まず 2 枚の画像に Normalization をかけてから平均するもので、2 つのステップに分かれます。
- まず Normalization を行い、インテグレーションする画像を基準画像のスケールに正規化する:
($T-median($T))*MAD(ReferenceImage)/MAD($T)+median(ReferenceImage)

- 続いて 2 枚の画像を平均し、インテグレーションを完成させる:
($T+ReferenceImage)/2

式の中で説明が必要な記号が 2 つあります。
- ReferenceImage は 2 枚の画像のうちより良いほうの 1 枚を表し、これを正規化の基準として使います。
- $T はもう一方の画像です。
先に Normalization を行う利点は、足し合わせる前に 2 枚の画像を同じ基準の上に立たせ、一方の背景や信号の差が最終結果を汚染するのを防げることです。2 枚は少ないとはいえ、方法さえ正しければ、同じようにきれいな仕上がりをインテグレーションで得られます。